足し算と引き算の基本ルールを前半と後半に分けて説明します。 (前半) ここに身長が \(170cm\) で体重が \(70kg\) のAさんと、身長が \(1.3m\) で体重が \(30kg\) のBさんがいるとします。 そこで次のような足し算と引き算を考えます。 (イ) \(170 + 1.3 = 171.3\) (ロ) \(170 - 70 = 100\) (ハ) \(70 + 30 = 100\) 計算式(イ)、(ロ)、(ハ)はすべて計算の答え自体は正しいです。しかし『意味の無い計算』が混じっています。それはどれでしょうか。 答えは計算式(イ)と(ロ)です。単位をつけて計算すると理由は明らかです。 (イ) \(170cm + 1.3m = 171.3 (?)\) (ロ) \(170cm -70kg = 100 (?)\) (ハ) \(70kg + 30kg = 100kg\) ここでのポイントは足し算と引き算は単位が同じもの同士でしかできないということです。 計算式(イ)と(ロ)が『意味の無い計算』である理由は、単位が違うからです。 ただし、計算式(イ)は『長さ + 長さ』なので単位を変換すると『意味のある計算』に直すことができます。
(後半) 個数について考えます。以下のような主張があるとします。 「粘土で玉を1個作る。次に同じ大きさの粘土玉をもう1個作る。 その後それらを合体させて大きな玉を1個作る。1個の粘土玉をもう1個の粘土玉にくっつけて1個の粘土玉を作ったから \(1 + 1 = 1\) である。」 上の主張のどこがおかしいのでしょうか。 ポイントは個数を数えるときは、数えるものが同じ性質を持っていなければならないということです。 よって答えは、合体前と合体後の粘土玉の『性質』が違うから足し算することに意味がない、という点です。 合体前の粘土玉と合体後の粘土玉では体積も質量も違うので、それらを足し算すること自体が間違っているのです。 |