古事記

その1

    

日本国の国土と日本の神々の誕生

初めて天と地が分かれたときアメノミナカヌシをはじめとする別天神(ことあまつかみ)が五柱(いつはしらと読む。神は柱という単位で数える。)現れた。 次に夫婦の神が七柱現れた。その最後に現れた夫婦の神がイザナギとイザナミである。 イザナギとイザナミは、天の世界からオノゴロ島という塩でできた島へ降りて、日本の国土を生む。 国土を生み終えた二柱は、次に海の神、風の神、山の神、野の神を含む日本の神々を生む。 しかし、火の神を生んだときに火傷を負ったイザナミは病の床へ伏し、やがて命を落とす。 悲しんだ夫イザナギは、妻を取り戻すため黄泉の国へ向かう。 しかし黄泉の国でイザナギが見たものは、ウジのわいた恐ろしい姿をした妻イザナミだった。 自分の姿を見られたイザナミは、夫イザナギの国の人間を一日千人絞め殺すという呪いの言葉を発する。 変わり果てた妻イザナミの呪いの言葉を聞いたイザナギは、自分の国で一日千五百人の人間が生まれるという祈りの言葉を発して、両者は別れてしまう。

   

アマテラス、ツクヨミ、スサノオの誕生

イザナギは、黄泉の国の穢れ(けがれ)を落とすために川に入る。 そのときイザナギの着ていた衣服や持っていた杖、そして汚れをそそいだ体から新たな神が生まれた。 そして最後に左目を洗ったときにアマテラス、右目を洗ったときにツクヨミ、鼻を洗ったときにスサノオが生まれる。 イザナギはこの三柱の神の誕生を特に喜ぶ。 イザナギは、アマテラスに高天原(たかまのはら、たかまがはら)を、ツクヨミに夜食国(よるのおすくに)を、スサノオに海原を知らす(ここでは『統治する』という意味)ように命じる。 ここでイザナギは、アマテラスに天の世界である高天原を治めさせることで、地上世界である葦原中国(あしはらのなかつくに)も治めるように命じたと考えられている。


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